ねこの多頭飼い【2日目】ねこを見たことがないねこ
koedoneko
こえどねこ
3日目を迎え、ベルちゃんは新しい環境にもすっかり馴染んだ様子を見せていました。
生まれた時からブリーダー氏宅で、人間に囲まれて育ってきたためか、人慣れの早さは驚くほど。
私のおなかの上にちょこんと乗り、大きな音で喉をゴロゴロ鳴らし始めました。
柔らかい肉球でふみふみする姿には、思わず笑みがこぼれてしまいます。
そんな穏やかな時間をベルちゃんと過ごしていると、リビングから小さな物音が聞こえてきました。
ねこ扉が控えめにカタンと揺れる音。
しばらくすると、シェリーが慎重に姿を現しました。
シェリーの動きは、とてもゆっくりで、ベルちゃんとは対照的な慎重さが際立ちます。
シェリーが姿を見せたことで、先住猫である彼女の安心を優先するため、私はベルちゃんをケージの中へ戻しました。
しかし、ベルちゃんは狭いケージに戻るのが不満だったのか、それとも新たに現れたシェリーへの興味が抑えきれなかったのか、落ち着きなくケージの中を行ったり来たりしながら、鳴き続けていました。
一方のシェリーは、ベルちゃんの熱意に圧倒されてしまったのか、全身に緊張を感じさせる様子でじっと見つめていました。
しばらくその場にとどまりましたが、静かに部屋を後にしました。
彼女が新しい家族を受け入れるにはもう少し時間が必要だと感じました。
シェリーにはシェリーのペースがありますし、きっと彼女なりのタイミングで心を開いてくれる日が来ると信じています。